4/13~「それでも僕らは罪人のまま」番外編
現在カクヨムにて、既刊「それでも僕らは罪人のまま」の番外編をウェブ連載しております。
更新は一週間に一度程度。
前編・後編に分かれていますが全体で18話くらいで、さくさく事件を解決する中編程度の物語です。
本編の前後に当たる、ルペシュールの節目となるエピソードです。
前半は「結成の夜」として、ルペシュールの5人が出会い、どうして法を犯してまで悪人と戦うことになったのかを描きます。
後半は「急行列車殺人事件」で、本編終盤でフロッセの町を離れる列車に乗るルペシュールとロビンが、列車内で殺人事件に行き合い、共闘するという物語です。惨殺死体を前に犯人を捕まえようとするルペシュールが、自分たちが行ってきた罪に改めて目を向ける内容となっています。
大体の説明は入っているので本編未読でも何とか読めると思います。
カクヨムのページはこちらから>>>それでも僕らは罪人のまま(葛野鹿乃子) - カクヨム (kakuyomu.jp)
番外編を書いたいきさつ
書いた理由
2月~3月はとにかくルペシュールの話が書きたくて書きたくて堪らなかったので、いつか書きたかった番外編を二つとも書いてしまいました。この物語はダークヒーローが未逮捕の悪人と戦うというコンセプトがはっきりしているので、他の長編より派生作品が書きやすいです。みんなの活躍が書きたくて、みんなが悪いことをしているシーンは書くのが楽しくて堪りませんでした。
産業革命期は面白い
書きながら産業革命期について調べ直したのですが……(前回はエクセルに内容をまとめていたのでハードのご臨終とともに消えた)、改めて調べると面白くて面白くて。
本を読む前に概要をネットで調べたのですが、歴史って地続きだから「こうこうこういう発明があってこんなふうに発展していきました」っていうわかりやすい記事を読んでもいまいち理解できていなかったんですよね。
だからどうしてその時代に進んでいったのかおさらいしてくれる本と一緒に辿ってみるとようやく理解ができて、改めて歴史が好きだなと感じました。
あと、産業革命期って人の暮らし方がだいぶ変わるじゃないですか。
生活の基盤が農村などの共同体じゃなくて一個の家族単位になって、労働の対価で得る賃金でしか必要なものは揃えられなくなるという……。現在にも通じる社会になり始めたことで、新たに貧富の格差とか、人が密集することによる社会問題とかも出てくるんですよね。「切り裂き魔事件」もこの時代です。
作品の舞台の参考にしているのはイギリスの産業革命期で、この時代はイギリスが大繁栄しているのですが、その分その時代特有の闇みたいな暗いものもたくさんあります。簡単にいうと町のひどい衛生環境とか児童労働とかのことです。
優雅な上流階級の人々よりそういう暗がりにいる人が書きたいんです。魔法とか聖剣とか、ついでにココアとか、だいぶファンタジー要素を入れてしまっていますが。
調べ直して思ったこと
学校教育の項目とか読んでいると、気になることが出てくるんですよ。
「……ミシェルが学んでいた王都の最高学府って、学校のカテゴリでいうところのどこ?」
色々な学校が増えてくる時代ですが、ミシェルは貧乏貴族の子供なので王立学院がどんな学校なのか決めかねています。無理に決めない方がいいかもしれませんね。
さっきも言いましたが舞台設定は参考程度で、だいぶファンタジーを入れているので厳密にしなくていいと思うんですが、今風の学校すぎるとちょっと変になるので、落としどころが難しいです。
名前についても辻褄を合わせた方がいいだろうかと思っていたんですが、諦めようと思っています。
人名に関しては語感のよさとキャラの印象に合うかどうかだけでいつも選んでいるので、名前に意味があるキャラはけっこう少ないし、言語もわりとバラバラで選んでいます。
特にミシェルとアシル。思いきりフランス系の名前なんですよね。決めるときに「ま、いっか」で決めちゃったから深く考えてなかったんですが。
サフィアとレブラスは完全造語です。
ちなみに苗字のスペンサーですが、実際のスペンサー伯爵家とは一切関係がございません。当時「アンバー」と「スペンサー」で悩んでて、語感のよさからスペンサーにしました。実際にそういうお家があると後から知って「あっ……」と思いました。
個人的には六人それぞれに似合っているのでそこまでこだわらなくていいかと思っています。
秋はイベント
そういうわけでルペシュールの番外編を書いたり調べたり、勢いのままに続編を考えても面白そうだなと考えるのはいいのですが……。
秋の文フリ大阪に持って行く新刊の制作が全然進んでいないです。こんなのにしようかなとか案は色々出ているのですが、なかなかまとまらず。
GW中に収録内容とコンセプトなど大事な芯のようなものを決めたいです。
できたら裏で進めている別の長編もキリのいいところまで進めたいところです。