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渡り鳥みたいに旅をするお客様が、
​羽を休める場所なんだよ、うちは。

​あらすじ

王都の片隅でひっそりと営業している、旅の宿トマリギ亭。宿の主は、訪れる旅人が語る物語に今日も耳を傾けます。

人魚姫との友情を貫く船乗り。謎の声に悩む図書館員の女性。

故郷に植える花の種を集める旅人。

宛名も差出名もない手紙を見つけた郵便配達員。墓守犬と出会った廃教会の薬師。

臆病だが心優しい騎士。

愛する王女のため、ヴァイオリンを弾き歩く青年。貴石の魔法使いと出会った旅鳥。

これは、人とそうではないものの世界が繋がった小さな奇跡。魔法にまつわる、ささやかでほんのりやさしいお話です。

目次

​「旅の宿トマリギ亭奇譚」編集後記

 初めて本を作ろうと思ったとき、今まで一度も作ったことのないタイプの物語を作ってみようと思いました。
 それまでのウェブ活動で書いていたものとは違う、雰囲気も落ち着いていて、大人がじっくり味わえるようなファンタジーをひたすら目指しました。
 そうしてできた一冊の本が、作者の新たな抽斗となり、多くの方からあたたかいお声をいただいた作品となり、同人活動を続けていく大きな支えとなりました。

 頭の中にあった世界観で、異世界ファンタジーの一般の村人や町人たち、市井の人々の日常を書くというのがこの物語のコンセプトです。世界中を冒険して悪を倒す英雄や勇者は登場しない。でも、どこかにあるかもしれない小さな奇跡です。
 最初、宿の主は完全な聞き役でしたが、本にするときにこの聞き役と宿という舞台に意味が欲しくなり、最後の最後に「渡り鳥の細工」をつけ足しました。今ではこの最後の物語があって、トマリギ亭の物語だと強く感じます。

 この作品は元々、頭の中にあった世界観から始まりました。
 トマリギの舞台はある長編ハイファンタジーと同じものです。現在プロット作りをしている最中の小説のひとつです。
 この長編に登場する予定の人物が、第2集含めて3人トマリギ亭に泊まりに来ています。長編が完成したあかつきには、第2集で送り出された呪われた男の旅の終わりを描くことになると思います。
 第1集から第2集まで、ちゃっかりいくつか伏線を張っています。予定している長編と併せることでようやく回収できるようなさりげない文章なので、それの回収も含めて長編を早く完成させたいです。

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