今まで作ってきた在庫切れ既刊の扱いについて考える記事・後半です。
前回までは、これまでの方針とそれに関する疑問点について思ったことを綴ってきました。後半の記事では、じゃあ具体的に何をするのか? ということについて、現在考えていることをまとめたいと思います。
今まで11冊の本を作って、有り難いことにその多くをお手に取っていただきました。
その都度嬉しいコメントをいただき、今まで支えられてきていますので、そこを大事にしながら再販をするにはどうすればいいか、考えていきたいと思います。
まずは、今まで作ってきた本を並べてみます。
こちらが、今まで作ってきた11冊の本です。
同人誌は、お客さんとやり取りすることによって喜びとライブ感が生まれるところがあります。昔話に関しても再販予定なしとアナウンスしていますし、そのためのお取り置きも呼びかけていますので、基本的に既刊は再販はしない方針です。
ですが、本の形にもう一度したいとも思っています。何を言っているか分からないかもしれませんが、端的に言うともし再販をかけられることになっても、「まったく同じもの」は作らないだろうということです。これが全体の基本的な考えになります。
既刊の中で第二版増刷が決まっているのが、発刊直近の「トマリギ2」です。こちらは一度見直しをした後、5月のイベントのために増刷予定です。
内容は変えずに装丁を変える、ちょっとデザインが変わる、という既刊を「復刻版」とします。こちらに当たるのが「トマリギ1」「星合う夜の夢(昔話)」です。
特に「昔話」はページ数が多く、同じ装丁で再販をかけるのが最も難しい本なので、装丁に関しては試行錯誤のうえ、目処が立ったら復刻版という形になると思います。
完売数年、そして未だ書ききれていないネタがある作品。こちらは「新版」として別に作る予定です。これは「水のゆくえ」に当たります。
「水のゆくえ」は発刊時からずっと「書き足りない」と言っているのですが、エピソードを追加し、「鶯神楽」と合わせたものにしたいと思っています。設定やキャラは変わらないのですが、エピソード追加によって既存の展開をちょっとだけ変更する可能性があります。少し乱暴な言い方をするとIFストーリーと思っていただいてもいいものになります。
さて、残っているのが「カンテラ」と「氷の花」と「魔女の季節」です。「星あかり」は合同誌のため、イラスト担当のミツカドとの協議の結果でどんな扱いになるかが変わりますので、今回ここで言及することは控えさせていただきます。
短編集三組はどちらもページ数が少なく、特に「氷の花」は頒布数も少ないお手製本なので、できたら「カンテラ」「魔女の季節」と併せて復刻したいと考えています。ただ、この二作、他の本もそうですが、一冊として完成していますので、やるならそれぞれの本の色や雰囲気が損なわれないようなまとめ方をしなければなりません。
短編集を合わせるので、どうせやるならウェブに上げている短編も一緒に入れてもいいかもと考えています。こちらは復刻というよりほぼ「再録集」になりそうです。
基本的に「まったく同じ本を作らない」ことを根底に、せっかく復刻するなら装丁やデザインも今できる範囲で凝り、もう一度本の形にまとめたいと思っています。
現在考えていることをこの記事でまとめているので、作っている途中や数年後に考えが変わることがあるかもしれません。やっぱり同じ装丁にする、とか、やっぱり復刻版作るのはやめる、とか言い出すかも。気分屋なうえマイペースなので、考えや意見は変わることが多いです。なので、これからどうするか、この記事で書いてきたことが決定事項ではありません。あくまで現時点での指針です。
復刻自体もそうですが、本は読み手ありきのものだと考えておりますので、思うところや要望があるなら読み手の方々に聞いてみたいな、とも思っています。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。