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葛野鹿乃子

カンテラを灯す夜 編集後記


 この作品は、大学生の頃から溜めていた小説のネタを形にした短編集です。

 雑多なネタの短編集を「死の幻想」という淡いテーマで括って、それを最終話の「幽か」でまとめるという構成になっています。
 大学生の頃に書いた小説はもう恥ずかしくて読めたもんじゃないですが、考えたネタ自体はお気に入りだったので、ちゃんとした小説に直して昇華することができて改めてよかったと思います。タイトルの「カンテラを灯す夜」も、昔考えたタイトルをそのまま使っています。

 改めて当時の作品を読み返すと、雰囲気いいなあ、本としてのコンセプトもいいなあと自画自賛しまくりになるのですが、やっぱり文章やストーリー構成には未熟だと思うところがいくつもあります。
 でもそれは今だから言えることで、どれだけ文章やストーリー構成力が成長しても、当時の文章はやはり当時でしか書けないものです。
 そして当時本を読んでくださった方々が面白かったですとお伝えしてくださり、その延長線上にあるのが今なので、いくら未熟な部分があるとしても、この物語はこれで完成している自分の大切な作品だと思っています。
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